【SQL概要1】データ分析がビジネスにおいて必須である理由
データ量が10年間で40倍
ビッグデータという言葉は、日本では2010年頃から使われ始めた言葉で、Volume(量)、Variety(多様性)、Velocity(速度)の3つのVを高いレベルで備えていることが特徴とされています。近年では、さらにVeracity(真実性)とValue(価値)を加えた5つのVから成り立っているともいわれています。例えば、SNSに投稿されたデータや、ウェブサイトの行動履歴、位置情報など、現代ではさまざまなビッグデータが存在しており、現在も注目され続けています。
少し古いですが、総務省がまとめたデータによると、国際的なデジタルデータの量は飛躍的に増大しており、2010年の約1ゼタバイトから、2020年には約40ゼタバイトに達すると予想されていました(※1)。つまり、ここ10年でデータの量は40倍以上増えており、それが今後はもっと増えると想定されます。
(※1)2014年に総務省がまとめた資料「ICTの進化が促すビッグデータの生成・流通・蓄積」より。

このようにデータ量が増加し、ビッグデータが注目される背景として、インターネットがインフラとなり、スマートフォンやIoT、SNSの利用などが普及し、我々が生活の中でさまざまな情報を取得できるようになったことがあります。その結果、取得したビッグデータを実際に活用して、価値を生み出す時代に変化しています。
データ活用を進める具体例
データの量が増え続けるとビジネスにおいてどんなよいことがあるか、具体的な企業のデータ活用事例をいくつか紹介します。
例えば、大手ITベンダーである富士通は、農業経営を支援するためのクラウドサービスを提供しています(※2)。これは温度や日射量などの環境データ、いつどこで何を行ったかの作業データなど、栽培に必要なデータを収集し、分析をすることで品種、地域、ブランドごとにおいてもっとも最適な栽培方法を導き出すことができるサービスです。気象データを活用して温室のコントロールを行い、無駄をなくすことで、コスト削減につなげることも可能です。このように、さまざまなデータを活用することで、ビジネスとして価値が生まれるのが、ビッグデータによってもたらされる大きなメリットです。
また、大手インフラ企業である大阪ガスでは、分析力を武器にしてビジネスに貢献する専門部署(ビジネスアナリシスセンター)を設置しています。ビジネスアナリシスセンターでは、関係部署に対してデータ分析による価値を提供することで、社内のさまざまな業務プロセスを改善しています(※2)。例えば、家庭用のガスや電気契約の営業をするときに、契約する確率が高そうなお客様をデータを活用してリストアップすることで、営業効率を高めています。このように、会社としてデータ活用を進めていくために、データ分析専門の組織を立ち上げる企業も増えています。
最後に、バスケットボール業界の事例を紹介します。プロバスケットボールリーグのBリーグのチームである三遠ネオフェニックスは、2022年7月からハーバード大学と提携して、スポーツのデータ分析に力を入れています(※3)。試合のデータを分析して戦術に活かしたり、世界各国の選手の年俸や試合での記録を分析し、試合に勝利するための効果的な選手の補強にも役立てるそうです。
(※2)総務省がまとめた「国内ビッグデータ活用事例」より。
(※3)2022年7月に発表された内容より。同大と日本のスポーツチームの提携は初めてです。
このように、さまざまなデータが取得できるようになったことで、データをビジネスに活用する事例が増えています。ここで紹介した事例はほんの一部ですが、データ活用を行っているのは大企業やIT企業だけではありません。どんな業界、会社規模であってもデータを活用していくことがビジネスにおいて重要な要素になっているのです。
データ分析とはデータを活用して意思決定するための手段
時代の変化が激しい中で企業のビジネスを成功させるためには、データを活用することが重要です。では、なぜビジネスの成功には、データの活用が重要になるのでしょうか。
それはデータを活用した意思決定をすることで、ビジネスの成功確率を上げることができるからです。そして、データを活用した意思決定は、大企業だけが進める話ではありません。あらゆる業界で、会社の規模に関係なく、すべてのビジネスパーソンにとって重要です。
少し前までは、ビジネスにおける意思決定は経験とカンによるものが中心でした。どんな商品を開発するのか、どんなキャンペーンを実施するのか、すべてアイディアベースで過去の経験則から意思決定することが多かったのではないでしょうか。もちろん、人の経験や考え方も大切です。しかし、昨今は時代の変化が激しく、過去の経験則がそのまま活用できない場面が数多く存在します。なぜなら、インターネットが普及し、非常に大量の情報に接することができるようになった結果、人々の考え方も多様化しているからです。そんな時代だからこそ、自分の経験だけに頼る意思決定では不安要素が大きいです。
そこで重要になるのがデータ分析です。データ分析とは、自分なりの仮説を考え、データを活用して検証し、意思決定をするための手段です。変化の激しい時代である一方、さまざまなデータが取得できるようになり、それらを数字的に可視化することができます。
例えば、作業関連用品やアウトドア製品を販売するワークマンでは、データ経営を行っています。社員がデータを活用して、それにもとづいた意思決定をするためです。例えば、各店舗で売れている製品の情報を可視化し、東京地区で売れているのに、蒲田矢口渡店では取り扱いがない製品を発見しました。その後、該当の製品を店舗に置いたところ、すぐ安定した販売につながり、固定客の獲得に貢献したという事例もあります(※4)。
(※4)データをもとに店舗運営をするワークマンの分析体制の事例。
このように、大量で精度の高いデータが存在するからこそ、データを用いて仮説を検証することができます。仮説を立て、データ分析で検証し、意思決定する。そしてまた仮説を立て、データ分析をして、意思決定する。この繰り返しを続けることこそが、変化の激しい時代を勝ち抜く重要な要素なのです。