データ抽出に必要不可欠な『SQL』
昨今のデータ分析分析環境は日々進化しています。生成AIを使った自然言語による分析やセマンティックレイヤーの活用など、データを効率よく抽出する方法が新しい技術の登場によってどんどん変化しています。
一方で、データ分析の高度化がされてもデータ分析におけるデータの抽出に関しては、裏側で行われているのはSQLの生成とクエリ実行です。それはデータの保存先にRDBが使われていることが多く、その場合の最終的なインプットがSQLになるからです。つまりはどんなに技術が進歩しようと生成AIによる効率化が進もうと、データ取得におけるSQLの必要性は今後も変わらないということです。これに関しては、ビジネスパーソンがSQLを学ぶべき理由についてもまとめているので、ご参考までに見ていただければと思います。
生成AIを活用したSQL作成ツール
データ分析におけるSQL作成は生成AIと相性が良いです。特に近年では生成AIをうまく活用することで、SQLも効率よく使うことができるようになっています。完全にゼロベースでSQLを書いて分析に使うのではなく、生成AIに雛形を作ってもらい、それをベースにSQLを書き換えていくスタイルが非常に効率的です。実際に海外を中心にSQLを生成するツールが数多く登場しているので、本記事で生成AIを活用したSQLデータ分析ツールについてまとめていきます。
- SQL Chat
- Text2SQL.ai
- SQL Generator
- Chat2DB
- AskYourDatabase
- InsightBase
- BlazeSQL
- SQLAI.ai
- SQL生成 by toolpods
1. SQL Chat
【URL】
https://www.sqlchat.ai/
【概要】
SQL Chatはチャットベースのデータベースクライアントで、自然言語で入力した内容をもとにChatGPTがSQLクエリを生成してくれます。Webブラウザ上のインタフェースからデータベースに接続し、チャット形式で質問すると、その内容に沿ったSQLを提案・実行して結果を表示してくれる仕組みです。MySQL/PostgreSQLなど主要RDBに対応しており、オープンソースで自己ホストも可能な点が特徴です。

【メリット】
- 直感的なチャットUI
- ChatGPTと会話する感覚でデータベース操作ができるため、シンプルで分かりやすいです。SQLの知識が浅いユーザーでも質問文を入力するだけで利用できます
- 主要DBに対応 & 自前ホスト可
- MySQL、PostgreSQL、SQL Serverなど一般的なデータベースに接続可能です。オープンソースでDocker等によるセルフホスティングにも対応しており、プライバシー面の懸念がある場合は自社環境に構築できます
- 基本無料で利用可能
- 自身のOpenAI APIキーを使えば追加費用なしで利用できます。また、APIキーがない場合でも開発者提供のサブスクリプションに加入すればGPT-3.5/4モデルを内部利用できます
【デメリット】
- 日本語UI非対応
- 画面表示は英語が基本で、日本語ローカライズはありません。日本語の質問もGPTには通じますが、UI上のメッセージやエラーログは英語となります。
- 高度な分析機能は限定的
- チャットで得られるのはクエリ結果のテーブルや簡易的な説明のみで、この後紹介するInsightBaseやBlazeSQLのようなグラフ描画・ダッシュボード化機能はありません(手元で結果をCSVエクスポートする程度は可能)。データ可視化は利用者自身で別途行う必要があります
- 無料枠の制限
- 無料でも利用可能ですが、制限があります。一定数生成AIの機能を使うとそれ以降は自身のAPIキーの入力が必要になってしまいます
2. Text2SQL.ai
【URL】
https://www.text2sql.ai/
【概要】
Text2SQL.aiはシンプルなText-to-SQL変換専用サービスです。ユーザーはWebブラウザ上で質問文を入力し、自分のデータベースのスキーマ情報(テーブル名やカラム名のリスト)を貼り付けて送信すると、それに基づいたSQLクエリをAIが生成して返します。MySQL、PostgreSQL、Snowflake、BigQuery、SQL Serverなど主要なSQLに対応しており、問い合わせ時にどのデータベース用か選択できます。またSQL生成以外にも、入力したSQLのエラーチェックや最適化、意味の解説など複数のAIツールが用意されています。

【メリット】
- 手軽で低コスト
- ブラウザでサイトを開けばすぐ使え、初期登録無しでも無料トライアル利用が可能です。料金プランも非常に安価で、月$4で300リクエストまでという低価格設定が魅力です
- DBのスキーマ情報に合わせたSQL生成が可能
- 事前にDBの種類とテーブル構成などを設定することで、生成されるSQLが実際のテーブルのカラム名などを反映して出力してくれます。設定の際にDBのスキーマを取得するためのクエリが発行されるため、コピペで必要な情報を入力することができるため簡単に設定可能です
- 用途特化で分かりやすい
- 機能がSQL関連に絞られており、画面も「テキストからSQL生成」「SQLの説明」「SQLの最適化」といったタブに分かれているだけでシンプルです。迷わずに目的の処理を選べます。またExcel/Google Sheetsの関数生成や正規表現生成といったビジネスでよくあるニーズにも対応しているため、データ分析以外の場面でも重宝します。
【デメリット】
- データベース接続が無い
- Text2SQL.ai自体はデータベースと直接つながっていないため、スキーマ情報はユーザーが手作業で提供する必要があります。テーブルやカラムの一覧を自分でコピー&ペーストしなければならず、大規模スキーマでは手間です。逆に言えばDB接続情報を預けなくて済む利点でもありますが、常に最新スキーマを手動で反映する手間がつきまといます。
- 高度な分析機能なし
- あくまでSQL文の生成支援ツールであり、InsightBaseのようなビジュアル分析やAskYourDBのような対話分析機能はありません。得られたSQLを別途BIツールやクエリエディタで活用する必要があります。そのため、「SQLを書く負担の軽減」以上の用途(高度なデータ分析)は難しいでしょう
3. SQL Generator
【URL】
https://sql-generator-by-gpt.vercel.app/
【概要】
SQL Generator by GPTは、日本製のツールで個人開発によるシンプルなWebサービスです。テーブルデータ(CSV形式)と要望(自然言語の質問文)を入力すると、GPTモデルを使って該当するSQLクエリを生成します。

【メリット】
- 完全無料で利用可能
- Web上で誰でもサインイン不要で使える公開サービスです。個人開発ながらVercel上で安定して動作しており、コストをかけず試せます。
- 日本語で利用しやすい
- UI表示も入力例も日本語で書かれており、日本語の質問文から直接SQLを生成できます。言語の壁がなく国内ユーザーには親切です。「あなたの母国語でSQLクエリを生成できます」とうたっており、日本語を含む多言語での質問文入力に対応しています。
- 入力が簡潔
- 複雑な設定はなく、テーブルデータ(カンマ区切りの列名と行のサンプル)と、欲しい集計や抽出条件を文章で書くだけのシンプルなフォームです。手軽にワンショットのSQL生成を試したい場合に向いています。
【デメリット】
- 個人開発のため不安定
- 個人開発によって作られたツールなので、動作が不安です。(※2025年6月現在では動かないです)本格的な実務として活用するツールとしては動作面が不安定な部分が懸念されます。
- 対応DBの指定が限定的
- 明示的なデータベース種類指定のUIはありません。基本的にはユーザーが質問文中に「~のSQLを作成してください(BigQueryで動作可能な状態で)」と書くことで特定のSQL方言に対応させる想定です。そのため、デフォルトではどのデータベース向けSQLが生成されるか明確でなく、複数テーブルを使う高度な質問には不向きです。
- 機能が最小限
- 結果として得られるのは生成されたSQL文テキストのみで、実際にデータベースへクエリを実行したり、グラフ表示する機能はありません。また、生成されたSQLが正しいかどうかの検証やデバッグ支援機能もないため、あくまでSQLスニペット自動作成ツールに留まります。
4. Chat2DB
【URL】
https://chat2db.ai/ja-JP
【概要】
Chat2DBは、オープンソースの高度なデータベースGUIクライアントです。ChatGPT等の大規模言語モデル(LLM)を統合し、自然言語の質問からのSQL生成(Text-to-SQL)や、生成AIを活用したデータ分析機能を備えています。Web版(クラウド)だけでなく、オフラインでも使えるデスクトップアプリ版が用意されており、企業利用も見据えたプロダクトです。MySQLやPostgreSQLはもちろん、OracleやMongoDB、BigQuery、さらにはRedisやApache Hiveなど合計20種類以上のデータソースに対応しています。

【メリット】
- 幅広いDBとネイティブ連携
- 現在サポートされているデータベース種は20以上にのぼり、リレーショナルSQLに限らずMongoDBやCassandraなどNoSQL、さらにはビッグデータ向けのHiveやKylin等にも対応しています。複数の異なるデータソースを一つのツールで管理・問い合わせできるため、環境が複雑な企業でも一元化が可能です。
- 統合開発環境として充実
- 単なるSQLチャット生成に留まらず、視覚的なテーブル編集やER図表示、データ移行(CSV/Excelインポート・エクスポート)など従来型DB管理ツールの機能を一通り備えています。さらにAI機能として、入力した自然言語質問からSQLを生成するだけでなく、SQLのエラーチェックと自動修正、SQLの最適化提案、結果からの自動チャート生成やダッシュボード化まで支援してくれます。まさに「AIアシスタント付きDBクライアント」です。
- 大規模モデルを柔軟に利用可能
- Chat2DBは独自にLLM(大規模言語モデル)を組み込み可能な設計で、ChatGPT(GPT-3.5/4)をはじめ10種類以上のモデルを利用できます。ユーザーがOpenAI APIキー等を設定することでモデルを選択でき、自前の言語モデルサーバーを繋ぐことも可能です。これにより機密データを社内モデルで処理したり、コストに応じてモデルを切り替える柔軟性があります。
【デメリット】
- 導入と運用コスト
- 基本的な利用は無料ですが、高度なAI機能を使うにはOpenAIキーを用意するか、有料のPro版ライセンス購入が必要です。Pro版は年額払いでユーザ1人当たり月額換算約$15~となっており、無料試用(200回までのAI呼び出し)を超える本格利用にはそれ相応のコストがかかります。もっとも、既存のBIツール+人件費と比較すれば安価との見方もできます
- 多機能ゆえの複雑さ
- 機能が豊富なぶんUIメニューも多岐にわたり、全体として個人開発の軽量ツールより操作に習熟が必要です。とくに可視化やダッシュボード機能は柔軟ですが、InsightBaseのようにノンコーディングで誰でも直観的に作れる、というよりは上級ユーザー向けの印象です。また高機能ゆえに動作もやや重めで、PCスペックやネットワーク性能によってはチャット応答に時間がかかることもあります。
5. AskYourDatabase
【URL】
https://www.askyourdatabase.com/
【概要】
AskYourDatabase(AYDB)は、ChatGPTをデータベース問い合わせに特化させたような対話型のAIデータ分析ツールです。ユーザーはデータベースに接続し、チャット画面で質問すると、AIがスキーマを自動理解してSQLを生成・実行し、結果を返してくれます。さらに生成したグラフのダッシュボード化や、Pythonコードを用いた高度なデータ分析までを対話内で行える点が特徴です。クラウド版(ブラウザで利用、他サイトへのチャットボット埋め込みも可能)と、ローカルPCで使うデスクトップアプリ版の2つがあります。

【メリット】
- 高度な対話性能
- 単発のSQL生成に留まらず、会話の文脈を踏まえた追加質問や結果についての解釈まで続けてやりとりできます。例えば「この結果をグラフにして」「前年比との比較も算出して」といったフォローアップにも応じ、まるで人間のデータアナリストに相談しているかのような対話体験が得られます。
- 自動分析と可視化
- AIがSQLクエリを実行するだけでなく、必要に応じてPythonコードを走らせデータ分析を行い、その結果をプロットする能力があります。ChatGPTのCode Interpreter機能に近い形で、データフレーム処理から可視化ライブラリによるプロットまで対話内で完結できます。最近はダッシュボードビルダー機能も追加されており、対話で作成したグラフウィジェットを組み合わせてリアルタイムに更新されるダッシュボードを構築することも可能です。
- エンタープライズ向け機能
- セキュリティ面では、ユーザやテーブルごとに参照・操作権限を細かく設定できるアクセス制御や、DELETE/UPDATEなどデータ変更クエリ実行時の確認プロンプト挿入、危険なSQLの自動マスク(DROP文除去やLIMIT句付与)などの仕組みで誤操作からDBを保護します。またクラウド版はWebサイト等への埋め込み用ウィジェット提供や外部顧客へのサービス化も想定しており、オンプレミス版(プライベートクラウドへのデプロイ)にも対応しています。企業利用で求められるセキュリティと拡張性を備えています。
【デメリット】
- 費用が高め:
- 個人利用のText2SQL系と比べると価格設定は高めです。小規模GPT-3.5相当モデルを使う場合は月$39程度で済みますが、高精度なGPT-4を使うプランでは月$49となります。チームや外部公開で使う場合のエンタープライズ契約はさらに割高です。無料でも小型モデルの問い合わせ枠が提供されていますが、本格利用には予算計画が必要でしょう。
- 初期起動のハードルが高い
- Web版は自分でセットアップが必要なので、始めるためのハードルが少し高いです。デスクトップ版のアプリは無料でダウンロードして使えますが、アプリのダウンロードが必要なので他のサービスのように無料でWebで試してみることができないです(デスクトップ版では接続するサンプルDBもあるので動作確認は可能です)
6. InsightBase
【URL】
https://insightbase.ai/
【概要】
InsightBaseは自然言語で質問できるBI(ビジネスインテリジェンス)ツールです。エンジニアでなくとも英語で質問すれば、データベースから必要な情報を取得し、自動的にチャートを生成してダッシュボードに配置できます。加えて、ドラッグ&ドロップでウィジェット(グラフ)を編集・レイアウトできるビジュアルビルダーや、しきい値に応じて通知するデータモニタリング機能も統合されています。PostgreSQL、MySQL、MongoDB、SQL Serverなど一般的なデータソースに対応しています。

【メリット】
- ノンコーディングでダッシュボード構築
- 自然言語の質問だけでなく、ユーザー自身がグラフやテーブルのウィジェットをGUI上で作成・配置することもできます。専門知識が無い経営層や営業担当者でも、自分の見たい指標を自由に組み合わせたダッシュボードを作り上げられる点が大きな魅力です。
- 高度な機能一式
- InsightBaseにはカスタムSQLモードやJavaScript拡張もあり、上級ユーザーは自前のSQLクエリやJSスクリプトでウィジェットを細かくカスタマイズできます。加えて、特定のデータに変化があった際に通知するデータモニタリングや、ウィジェットの自動更新(オートリフレッシュ)など運用に便利な機能も揃っています
【デメリット】
- 初期利用のハードルが高い:
- BIツールということもあり、すぐにweb上で使ってみることができず、利用のためには会員登録が必要になります。サンプルのDB接続などもできずとりあえず触って動きを確認してみることができません。すでに自分で使っているDB接続情報を使って動作を確認する必要があります
- 価格が高め
- 個人利用プランでも月額$27と、他のシンプルなツールに比べ割高です。ダッシュボード共有などチーム向け機能が必要な場合は月$97~$300程度のプランに上げる必要があります。費用対効果として、既存のBIツール(例:TableauやPowerBI)と比べて導入する価値が十分にあるか検討が必要でしょう。
7. BlazeSQL
【URL】
https://www.blazesql.com/
【概要】
BlazeSQLはAIを活用したデータ分析アシスタントで、企業のデータチームやビジネスユーザー向けに設計されています。データベースに接続したチャットボットに自然言語で質問すると、複雑なSQLであっても数秒で生成・実行し、洞察を提供します。SnowflakeやBigQueryなどクラウドDWHを含む主要なSQLデータベースに幅広く対応し、生成したチャートのダッシュボード共有や、毎週の自動レポートメール配信といった付加機能も備えています。

【メリット】
- DB情報を詳細に設定できる
- DBを直接接続しなくてもテーブル情報をインプットすることでSQLの生成ができます(生成AIを使うには有料プランが必要)。テーブルの情報に説明を追加したりもできるため、情報を追加することで自然言語でもより精度の高いSQL生成が可能になる見込みがあります。
- 高度な機能一式
- SQL作成だけでなく、ダッシュボードの作成ができる他、InsightBaseにはカスタムSQLモードやJavaScript拡張もあり、上級ユーザーは自前のSQLクエリやJSスクリプトでウィジェットを細かくカスタマイズできます。加えて、特定のデータに変化があった際に通知するデータモニタリングや、ウィジェットの自動更新(オートリフレッシュ)など運用に便利な機能も揃っています
- コラボレーション可能
- BlazeSQLはチーム向けのコラボ機能が充実しています。作成したダッシュボードをチームで共有したり、ユーザーごとにアクセス管理したりする仕組みが用意されています(※埋め込みやホワイトラベル提供は上位プランで対応)。さらに「Team」プランでは3ユーザー分が含まれ、追加ユーザーも割引価格で利用できるなど、チーム全体での導入コストを抑える工夫があります
【デメリット】
- クラウド依存
- サーバー側に高性能AIをホストする前提のサービスのため、完全なオンプレ環境には対応していません。セキュリティ上データを絶対外部に出せない金融系などでは採用が難しいケースもあります(その場合AskYourDatabaseのようなプライベートクラウド対応製品を検討すべきでしょう)。
- 無料枠が限定的で価格が高め
- 無料でツール自体は使えますが、生成AIを使ったクエリの生成は有料プランにならないと使えません。有料プランは個人利用(Pro $39/月)から高度機能付き(Advanced $99/月)、チーム向け($149/月~)までプランが細かく分かれており、必要な機能によっては高額になります。例えばPython実行やレポート自動化はAdvanced以上でないと使えません。無料トライアルはありますが恒久的な無料枠はなく、本格利用には予算確保が前提となります
8. SQLAI.ai
【URL】
https://www.sqlai.ai/
【概要】
SQLAI.aiは、Text2SQL.aiと類似のWebベースAI SQLジェネレーターですが、より機能拡張されたマルチツール型プラットフォームです。テキスト質問からのSQL生成はもちろん、誤ったSQLの修正提案、SQLの意味説明、クエリ最適化などが一つのサービスで利用できます。また他のText2SQL系と異なりデータベースに直接接続してスキーマを自動取得できる機能も備えています。対応データベースもSQL系・NoSQL系・GraphQL系まで幅広く、RedshiftやDynamoDB等を含めほぼ全て網羅すると謳われています。

【メリット】
- SQLに関する活用の幅が広い
- 1つのサービス内で「SQL生成」「エラーチェック・修正」「パフォーマンス最適化」「結果の解釈説明」まで完結できるため、SQLに関する活用の幅が広いです。例えばユーザーが複雑なSQLを書いたが動かない場合、SQLAI.aiに貼り付けてエラー箇所の指摘や修正案を得られます。単なる生成だけでなく既存クエリのレビューやリファクタリングにも使えるため、データエンジニアにも有用です。
- 幅広いデータソース対応
- 一般的なリレーショナルDBに加え、MongoDBのようなNoSQLやApollo GraphQLなど問い合わせ言語が異なるデータソースにも対応しています。そのため、「SQLと類似の文法なら一通りAIで手助けする」という包括的なサポートが得られます。他サービスではサポート外になりがちなAmazon Redshift(PostgreSQL派生)やDynamoDB(NoSQL)にも使える点は差別化要素です
- 自動スキーマ理解
- 希望すればユーザーのデータベースに直接接続しテーブル構造を読み取ってくれる機能があります。毎回スキーマをコピーする必要が無く、常に最新のDB定義に基づいた正確なSQLを生成できます。この場合、接続情報(ホスト・ユーザ・パスワード等)をサービス側に預けることになりますが、一時的な検証用DBなどであれば利便性が高いです
【デメリット】
- セキュリティ上の懸念
- 上記のようにDB接続情報をクラウド上のサービスに渡す場合、セキュリティリスクがあります。特に本番データベースの認証情報を預けるのは慎重になるべきで、提供元の信頼性(運営会社や実績)が判断材料となります。現状、大手企業の提供するサービスではないため、重要データへの適用は限定した方がよいでしょう。
- 無料枠が限定的
- SQLAI.aiは有料プランが$6からあります。無料利用も可能ですが、おそらく問い合わせ回数や機能に制限があると推測されます(※公式には「数回試せる無料クレジット」が用意されています)。本格利用するには月額料金が発生し、Text2SQL.aiよりコストは上です。もっとも、その分機能が豊富なのでコスパはケースによります。
- 機能が限定的
- あくまでSQLに関する機能に特化されているため、SQLで得られた結果を分析したりダッシュボード化したりするような統合型の分析ツールではありません。その分有料プランも他のツールに比べると安いですが機能が限定的というデメリットはあります。
9. SQL生成 by toolpods
【URL】
https://toolpods.io/sql-generator
【概要】
SQL生成 by Toolpodsは、自然言語で書かれた指示文からAIが自動でSQLクエリを生成する日本製のサービスです。MySQLやPostgreSQLなど、主要なデータベースに対応しており、SELECT、INSERT、UPDATE、DELETEといった様々なクエリの種類を指定することも可能です。

【メリット】
- シンプルでわかりやすい
- SQLの生成という観点では非常にシンプルなUI/UXとなっており、自然言語を入れることでSQLの生成が簡単にでできます。また生成されたSQLの解説文も乗っているため、生成したSQLがどんな意味かを理解することもできます
- 無料で使える
- ログインや会員登録不要で無料で誰でも使うことができます。ブラウザだけで完結するため特別なアプリケーションのダウンロードも不要なため、誰でも気軽に使えるメリットは大きいです
- セキュリティリスクが低い
- 処理がローカルでおこなわれているため、データが外部に送信されることはありません。そのためセキュリティ面でも安心して使えます
【デメリット】
- 機能が限定的
- 他の生成AIとSQLを組み合わせたツールのようにDBと接続したり分析ができたりなどの機能はないため、活用用途は限定的になってしまします
- スキーマ情報が反映されない
- 汎用的に単純に自然言語からSQLを生成するため、テーブル名やカラム名はサンプルデータとなってしまいます。そのためそのままでは直接SQLが使えないのは少しデメリットです
まとめ
生成AIの登場によって、より効率的にSQLを生成してデータ分析ができるような環境やツールが多く登場しています。今回紹介したようなツールを活用することでSQLに詳しくない人でもSQLの生成を自動でおこないデータ分析ができる可能性があります。
一方で、これらのツールを利用する際には注意が必要です。社内のDBと接続してツールを使う場合は接続のためのパスワードなどを入力するため、社内のセキュリティ要件を確認して使わないと、意図せずデータの流出などが発生する可能性があります。パスワードやDBに保存されている情報だけでなく、DBのスキーマ自体が社内としての重要な情報になる場合もあります。そのため今回のようなツールを使う場合は個人でも企業でもリスクを考慮して使う必要があります。
また、生成AIにはハルシネーションリスクもあります。そのため、必ず正しいSQLやデータ分析結果を返すとは限りません。特にデータ分析の領域においては、生成AIによって出力されたSQLや分析結果そのものが正しいかどうかを判断することが非常に難しです。生成AIはどのような要件でデータを抽出するのかなどのビジネスロジックの理解や文脈判断についても弱い部分があります。
その意味でもSQLの基本的な知識はデータ分析においては必要不可欠です。全てを生成AIに任せて分析をするよりは基本的なSQLの知識を持ちながらビジネスロジックや文脈判断などの生成AIが苦手な部分を人が補完するような形でうまくデータ分析において生成AIを活用することが重要です。